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Talk session

住宅の未来のために、
持続可能な社会づくりのために、
新しい形のパートナーシップを。

白川敬   
TOTO株式会社 代表取締役副社長執行役員
北崎武彦  
TOTO株式会社 販売統括本部本部長
小山内健晴 
TOTO株式会社 中部支社副支社長
河合国輝  
株式会社丸八 代表取締役

100年続く関係の根底にあるのは、理念への共鳴
小山内
TOTOと丸八さんの関わりは、陶磁器販売をされていた丸八さんがTOTOの食器を仕入れていただいたことから始まったと聞いています。それから約100年にわたるお付き合いを経て、両社がこれからどのような将来に向かっていくのか、またどのような協力をしていけるのか、そのような話ができればと思っています。
河合
丸八は1902(明治35)年に創業していますので、1917(大正6)年創立のTOTOさんよりも一足早く誕生したことになります。静岡県浜松市内で食器の販売をする中で、TOTOさんの食器を扱うようになり、その後昭和31年に特約店となって本格的に住宅設備、住宅建材も扱うようになりました。メーカーと流通という違いはありますが、時代や社会が大きく変化する中でも常に一緒に歩んできた関係だと思います。
白川
私たちが生まれる以前からの話ですから、非常に重みのある関係性だと思います。歴史だけではなく、丸八さんとはお客様満足度や社会貢献といった、企業姿勢の面で通じるものがあると感じていますが、どのような企業理念で経営されていますか?
河合
私たちは「3つのトクのある企業」という理念を掲げています。3つのトクの1つ目は特別の「特」で、差別化されたサービス・技術・情報を提供し、お客様から必要とされる会社になる、というものです。2つ目は損得の「得」で、お客様や取引先と共に公明正大な利益を追求し、お客様満足・従業員満足を達成するというものになります。3つ目は人徳の「徳」です。これは仁、義、礼、智、信の心で仕事を通じて人間的に成長し地域社会に貢献する、というものです。この3つのトクを持つ会社を目指して事業に取り組んでいます。
具体的な例を挙げると、「特」では得意先に対してモノを販売するだけでなく、工事の技術やノウハウを提供していく取り組みをしています。「得」では、私たちはBtoBの事業ですが、エンドユーザーの目線に立ち、エンドユーザーに満足していただくことが、顧客へのサービスでもあり、それが自らの利益にもつながってくるという考え方です。「徳」では、従業員が仕事だけでなく社会の中で人間的な成長をするために、労働環境や福利厚生の改善に取り組んでいます。
白川
とても素晴らしいですね。改めてTOTOの社是とつながる部分も大きいと感じました。TOTOでは「愛業至誠」「良品と均質」「奉仕と信用」「協力と発展」という社是を掲げています。これは「奉仕の精神でお客様の生活文化の向上に貢献し、一致協力して社会の発展に貢献する」という意味が込められています。奉仕とは今で言うお客様満足ですね。徹底的にお客様に寄り添うことで利益は後から付いてくる、そんな精神は丸八さんの「3つのトク」と通じるものだと思います。
河合
日本に衛生的な生活文化をもたらそうとしたTOTOさんの挑戦は、そのような強い想いが支えたのでしょうね。以前、TOTOミュージアムを見学させていただいた時にも挑戦の歴史に感銘を受けました。
白川
今でこそ製品もサービスも広がり、企業規模も大きくなりましたが、根底にある想いは何も変わっていません。やはり理念というものは企業にとって非常に大切ですね。
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生き残りをかけて、一緒に挑んできたことが財産に
小山内
丸八さんは1956(昭和31)年にTOTOと特約店契約を締結し、その後、1982(昭和57)年に全国で初めてとなる特約店によるショールームを浜松市内に開設されています。
河合
ショールームの開設は私がまだ小学生の頃で、社長は祖父の代でした。TOTOさんがシステムキッチンを発売するということで、実際に見て使っていただいかないと良さが伝わらないと考えたそうです。
白川
高品質・高級路線で参入したため、ショールームが必要だと考えられたのでしょうね。その頃はTOTOにとって大きな変化の時で、システムキッチン、洗面化粧台と製品カテゴリーを増やし、住宅設備メーカーへと変化しました。全国に100店舗の直営ショールームを設けようと動いたのが1998(平成10)年ですから、メーカーであるTOTOよりも早くショールームを販売活動の前線にしようと考えられた先見性に驚かされます。今でこそショールームの重要性は誰もが認めるところですが、当時としては画期的な取り組みだったと思います。
河合
祖父は堅実な経営者で、無駄な投資は一切しなかったそうです。それでも「これだけはお金を使わせてくれ」と言って踏み切ったと聞いています。完成したショールームにエンドユーザーや住宅業界関係者を集め、TOTOのシステムキッチンに触れる機会をつくっていました。
小山内
その後、バブル崩壊もあり住宅業界も厳しい時代が続きました。そのなかで、2001(平成13)年頃から協働で元請け開拓に取り組みました。
河合
それまでは、設備会社からの発注を待つという待ちの姿勢でしたが、元請け店に対しても直接セールスをしようと営業スタイルを変えました。私が営業を始めて3年目の頃で、住所録を見ながら飛び込みで営業をしていました。それから少しずつ売り上げが伸びて、7年後には年間売上が20%以上アップしていました。その頃に出会ったお客様に今も支えられています。
白川
TOTOも「総合化」「小売化」「元請化」というキーワードのもとで、丸八さんのようなパートナーと一緒に変化しようとしていた時期です。新しいことを始める以上、人材教育が必要ということで営業面や施工面で様々な勉強会を行い、共に変わろうとしていました。当時のTOTO中部支社支社長からは丸八さんが施工体制を強化しようと積極的に取り組んでいたと聞いています。
河合
商品の施工まで行うことで顧客とその先にいるエンドユーザーの満足度を上げるために、施工品質の向上に取り組みました。2012(平成24)年には、私たちの元請けシフトや施工体制強化の取り組みをTOTOさんの全国のパートナー会でも発表させていただきました。
白川
2009(平成21)年から2010(平成22)年は、私も中部支社副支社長として丸八さんの変化を近くで拝見していました。それまでの丸八さんを支えてきたベテランから若手まで、一丸となって挑戦する姿が印象に残っています。TOTOにとっても、丸八さんと同じ目標に向かって苦労を共にできたことが大きな財産になりました。
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安心してリフォームできるスキームづくりと、
SDGsへの貢献を共に
小山内
変革を続けながら発展してきた両社ですが、これからのビジョンとそのなかでどのような協力ができるのか、その辺りをお聞きしたいと思います。
白川
冒頭でも触れましたが、お客様へ寄り添うということがTOTOの根底にあります。その具体的なサービスのひとつが「あんしんリモデル」です。リフォームをするにあたって分からないことが「みえる」「わかる」そして、リフォームが終わった後でやって良かったと満足してもらう、そのためにTOTOに何ができるだろうかと自問自答しながら発展させてきたサービスです。その時その時、暮らし方や価値観は変わるし、不安に思うことも変わります。だから、「あんしんリモデル」というサービスには、ここで完成というゴールがないんですね。日本の住宅においては「リフォーム」がこれからの大きなテーマですから、私たちも「あんしんリモデル」を進化させていきたいと考えています。
河合
丸八もリモデルクラブ店のサポートという形で参画しています。業者とお施主様との間に、TOTOさんがナビゲーター、あるいはコンシェルジュのような第三者の立場で入ることで、お施主様の安心感・満足感はとても大きくなっていると感じます。他社製品の相談にも応じているそうですね?
白川
はい、競合メーカーの製品に対するご相談にも応えますし、例えば、床材や断熱材など、TOTOが扱っていない建材についても応えます。もちろん、私たちに分かる範囲でということになりますが、できるだけ応えられる仕組みをつくっています。ただ、本当に満足できるリモデルはTOTOだけでは実現できません。流通や元請け業者と足並みを揃えて一緒にサービスを改善していく必要があります。だからこそ、丸八さんには、これからもより一層のご協力をいただきたいと思っています。
河合
私たちも、リフォームに対する漠然とした不安を取り除くためにできることを考えています。設備のメーカー保証期間が終わった後に、丸八が保証を延長してより長い保証期間にする「住設あんしん5年保証」という仕組みもそのひとつです。また、施工する職人さんへの正しい知識や情報発信も私たちにできることだと考えています。難しいリフォームは施工業者さんにとっても実は不安があります。そこに私たちの経験が役立つのではと考えています。
白川
すごく重要なことですね。長年地域に根差した丸八さんだからできることだと思います。ぜひ長期的な取り組みとして継続してください。私たちもサポートしていきたいと思います。
小山内
これからの企業活動を考える上で、SDGsにどのように貢献していくかという方針も欠かせないと思います。丸八さんは浜松市、静岡市、豊橋市の3つの自治体のSDGs推進プログラムに参加されているそうですが、SDGsをどのように位置づけていますか?
河合
国連がSDGsという目標を掲げ、その内容を知った時に、私たちが今やっていること、その意識をさらに高めれば貢献できるのではないかと思いました。だから、新しく始めるというよりも、高めるという考え方です。より節水できる設備を提案したり、より高性能な断熱材、サッシを提案したり、SDGsという視点を営業活動の中に採り入れていこうと考えています。
白川
TOTOは「きれいと快適」「環境」「人とのつながり」という3つのマテリアリティでSDGsに貢献していこうと考えています。サスティナブルな製品を普及させることはもちろん、製品の廃棄まで含めたライフサイクル全体でCO2排出量を減らし、2050年にカーボンニュートラルを達成するアクションを始めています。持続可能な社会の実現という面でも、かなりの部分を丸八さんと一緒にやっていけると考えています。今後もより一層のご協力をお願いします。
河合
従来のメーカーと流通という関係とは一線を画した新しい関係を築いていければ、こんなに嬉しいことはありません。こちらこそ、よろしくお願いします。
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取材/2021年4月
※内容・役職等は取材時のものです
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